2010-09-11

線~路は続く~よ~ ど~こま~で~も~♪

遅ればせながら、北京~モスクワまで乗ったシベリア鉄道のことを書いとこうかなと思います
結構な長編になると思うんでみなさん覚悟して読みましょう

まず、シベリア鉄道の基本的なデータから紹介すると
シベリア鉄道とは、ロシア国内を東西にウラジオストクからモスクワまでを7泊8日かけて横断する鉄道で、その全長は9,297kmと世界一長い鉄道である
俺が乗ったのは北京(中国)~ウランバートル(モンゴル)を経由して、途中のウラン・ウデ(ロシア)で本線と合流してモスクワまで走る「3列車」と言う3ヶ国を通る国際列車だ
その距離7,865kmで、時間にして5泊6日かかるというなかなかエキサイティングな列車だ
毎週水曜日に北京駅から1本だけ出ている
俺が乗ったのは7/28~8/2まで
料金は現地(北京)で購入したから3737元(約50,500円)となかなか安い
日本の旅行代理店などでは、ロシアのビザを取るためのホテル代含めてみたいな、包括的な金額になってしまうから結構な値段になってしまう
でも、ロシアは先に紹介したようにバウチャー旅行になってしまうのでそれは仕方ない

さて、では7/28の朝から書いていこうと思う


シベリア鉄道1日目

AM5:30 朝早く起きてユースを出発する準備を始める
いよいよシベリア鉄道の旅の始まりだ
北京駅7:47発の「3列車」に乗るため地下鉄で駅に向かう
AM7:00 駅の改札の前にはすでに多くの欧米人や中国人が集まっていた
駅員に切符を見せてプラットフォームへ
さて、俺が乗るのは1つのコンパートメントに4つのベッドがある2等車だ
ちなみに1等車は2つのベッド
ここから、6日間共に旅をする仲間なんやから同じコンパートメントになる人はかなり重要だ
期待と不安を抱えいざ乗車!
・・あれっ?あんなに人いたのに、俺の車両はなんか人少ないなーと思いながら歩いていると、自分の番号を発見!
中を覗くとまだ誰もいない
一番乗りや!
俺の席は進行方向に前向きな下の段のベッドで、一番いい場所だ

後から人が乗ってくると窮屈になってくるやろうから、とりあえず荷物を置く場所を確保しようと思い、自分の寝台の下に大きな荷物を滑り込ませる
ふ~!後はどんな人が来るか待つだけ
あっそうや今のうちに出発前の写真撮っとかな!と思いつきカメラをもって車外へ

写真も撮ったから、しゃがみこんで列車を眺めていると、車掌さんがもう出るから入れというので再び乗車した

そして、自分のコンパートメントを見て唖然・・・
人がおらん・・俺のコンパートメントに人がおらん・・てか俺の車両自体に人がおらん
かろうじて、隣のコンパートメントに二人のロシア人ぽい女性がおるけど、それはあんま関係ない
9つあるコンパートメントの中で、人が乗ってるのは2つだけ!?
しかも、俺のは1人やん!!
なんでや?・・疑問に思い隣の車両に行ってみると、人がうようよいてそれぞれに自分のリラックススタイルを作り出していて、これぞシベリア鉄道ライクな雰囲気を醸し出している
自分の車両に戻って首をかしげる

兎にも角にも列車はその状態のまま走り出した
列車が走り出してから30分ぐらいずっと一人で自問自答する
切符の購入時期が遅かったからか?それとも、単なる日本人に対する嫌がらせなんか?でも、一人で使えるんやったらむしろ優遇されてんのか?チケットカウンターでの片言の英語が不味かったんかな~?・・しかし、この部屋暑いな~!なんでクーラーじゃなくて扇風機やねん?

てか、この器何に使うんや~??

ゴミ箱?フィンガーボール?ヘッドプロテクター?灰皿?
何に使うにしても形と大きさ中途半端すぎ!
それにしても、さっき待合室でみたロシア人の女の子可愛かったな~・・・
まぁ、途中から自問自答も脱線、脱線でシベリア鉄道やのに縁起でもない

そんなことを考えてるとランチとディナーのタダ券が配られたので、考えていても次の駅に着くまでは人が乗ってくることは絶対無いから(トム・クルーズとかスティーブン・セガールやったら乗ってくるかも知れんけど)、腹も減ってたし早速食堂車に行く

食堂車はクーラー効いてて涼しいし、窓の枠が木製だったりでちょいしゃれとってええ感じ

そんなやから、ランチの方も期待して待っていて、出てきたものを見てこれまた唖然・・・

いやいや、賄いや無いんやからこれはアカンやろ!
味も、しょっぱすぎたり薄かったり・・ご飯なんて冷めてるやん
まぁでも、これがうわさに聞くシベリア鉄道の不味い飯か・・
ロシア入るまでは食堂車も中国のやししゃーないかと思いながらも腹へってたから残さず完食!
ディナーも同じもんが出てきた・・しかし、腹へってたからこちらも残さず完食!!

部屋に戻って、早速やることも無かったから小説を読みふける
だって話し相手がおらんねんもん!

ちなみに突然やけどトイレはこんなん

なんとこのトイレ用を足して流すと、そのまま線路に垂れ流す仕組みになっている
まぁ長いからいいんじゃないっすか!みたいなことなんやろか?
実際ため続けることはできんからしゃーないんやろうけど
こんな仕組みやから停車駅が近づくと使用できんように鍵が掛けられる・・

話は本線に戻って(列車だけに)、2~3時間も走ると車窓に広大な自然が現れた
そうそう、中国といえばこれやないっすか!
桂林とまではいかないまでも、川の両脇に高いとんがり山みたいなのがある景色だ
上海、北京と大きな都市しか見てなかったから、あらためて中国という国の偉大で尊敬できる面を見れたなと、かなり感動しながら窓の外の景色に釘付けになる
そして写真を撮り忘れる・・・

22:30モンゴルとの国境の駅「二連」でパスポートコントロールとイミグレをうける
その間、中国とモンゴルではレールの幅が違うため、車輪の取替え作業も平行して行われる

そんな感じで1日目は一人で寂しい夜を向かえ眠りについた

シベリア鉄道2日目

「朝目覚めると僕は一人、大平原の真ん中で大あくびを一発かました
でも、それは目に飛び込んでくる車窓からの澄んだ空気に簡単に吸い込まれてしまった
窓に映るのは、緑と青と白のコントラストのみだ
僕は今、モンゴルの大平原の中を「3列車」に乗り全力で疾駆している」

はい、ということで、まだ一人で部屋を占領しています
はい、誰も、乗ってきません・・・
モンゴルの首都であり、一番大きな町であるウランバートルで誰か乗ってくるだろうという考えは木っ端微塵に打ち砕かれた
というか、どうやら降りる人のほうが多いらしい
「まぁ、一人でゆっくりのんびり旅するのもいいんじゃないか?」という、自己閉鎖的な考えに徐々にシフトしていくこととする

夜中の内にモンゴルとの国境を越えて無事モンゴルに入国
モンゴルってほんまに地平線まで続く平原に、ゲルがあって牛や馬や羊がいて、空が青くて、雲の影が低い山にそのまままの形を映している

なんでだろう?この景色はいつまで見ていても飽きることが無い
ずっと眺めていたくなる

地平線の向こうに沈む夕日は胸にしみる

21:00 モンゴルとロシアの国境の駅でパスポートコントロールとイミグレを受ける
ロシアの税関調査員みたいな人は、軍人さんかなってくらい威圧感があって怖い人や
麻薬犬みたいなのもうろうろ
コンパートメントの中の天井や壁をどんどん叩いて調べられる
でも、叩いただけで分かるんやろか?
税関申告書を渡すと、「武器とか麻薬は持ってないんだろうな」みたいなことを聞いてくる
いやっ持ってる言う人おらんやろ!と、思いながらもちろん、「NO!」というとあっさり隣へ

続いて、パスポートとイミグレカードを女軍人に渡す
パスポートと本人の顔を見比べるときに、少しの笑顔のサービスをしてしまう自分に自己嫌悪する・・・
待っていると1時間後ぐらいに無事パスポートが帰ってきた
と、いうことで無事にロシア入国!といっても、夜やし列車の中やからロシアに入った感じはほとんど分からん

とにかく、こうして2日目も一人で景色を眺めるだけで終わっていく
どうしようもない寂しさがこみ上げてくる

ランチとディナーのタダ券が配られたのは1日目だけやったから、ここからは乗車前に中国のスーパーで大量に買い込んだ、カップラーメンとかお菓子とかで空腹をしのいでいく
いちいち食堂車にいっとったらお金がかかり過ぎてしまうから

シベリア鉄道3日目

ここから徐々に車窓からの景色が変わってくる
まず、見えて来たのが世界最大の淡水貯蔵量を誇るバイカル湖

世界の淡水の20%がここにあるらしい
面積だけでいっても、琵琶湖の46倍あるというから驚きの広さ
といっても、そばを通っただけやからなんのこっちゃようわからん

続いて見えてきたのが、幹が白くて葉が緑という美しい白樺の林!

この景色がいわゆるシベリア鉄道ぽい景色だ
いよいよそれらしくなってきたなぁ~と最初のうちは興味津々で見ていたけど、1時間経ち、2時間経ち、5時間経っても全~~く変わらない景色に正直うんざり・・
美人は3日で飽きるって言うけど、この景色は5時間で飽きたから逆にそれだけきれいってことなんやろか?
そう、ここからが悪夢の始まりなんです
ここからまだ3泊4日あるのに景色はず~っといっしょ!
たまに、小さな町があって

平原があって

川があって

そんな景色が繰り返し永遠に続く・・

このころには、俺の車両にはもはや俺以外だれも乗っていない
コンパートメント貸切どころか1車両貸切とは、どっかの国の要人みたいな待遇だが、そんなこたぁ望んでないんすよ

たまに、駅に停車すると降りて背伸びしてってそんなことを繰り返す

そうやって駅に降りて背伸びしているときに一人の日本人と出会う
なんと、同じシベリア鉄道に日本人が乗っていたのだ
しかも、隣の車両

そう、この人がブログにちょくちょく出てくるカッシーさん
日本人はどうやら、俺とカッシーさんしか乗ってないみたいや
ここからは、二人でいろいろな話をした
なんせ、時間あるし日本語通じるの二人だけやからね

隣の車両には他にオーストラリア人バックパーカーが2人、ロシア人のおじさんが1人乗っていた
ここからは、トランプに混ぜてもらったり、おじさんが持っていた1本200ドルのウォッカを飲んだりと楽しい時間を過ごせた

それにしてもこのロシア人のおじさん、やはりロシア人だけあってウォッカの飲み方が半端やない
最初、カッシーさんが買った1本確か2000円くらいのウォッカはビールで割って、トランプで負けた人が一気に飲むみたいな飲み方をしとったんやけど、おじさんの持っていたウォッカになると、ストレートで飲むことになった
しかも、ショットグラスみたいなのじゃなくて、普通のコップに半分くらいまで注いで飲むという飲み方だ
正直、それを飲み込むだけでのどが焼けるように痛いのに、ロシア人のおじさんはコップになみなみと注いで一気飲み・・
さすがに苦しそうにしてたし、ちょっとこぼしてたけどそれでも飲みきるのはすごいわ

とまぁシベリア鉄道らしいふれあいも少しできたということで、いい1日になった

シベリア鉄道4日目

上と一緒

シベリア鉄道5日目

ほとんど上と一緒

今日も、カッシーさん達と少しの交流をしながら、のんびりタイムをのんびり過ごす
夜になって、いよいよこの鉄道の旅も最終日やしということで、食堂車に行って最後の晩餐を食べることに
食堂車が、中国のものからロシアのものへチェンジされている

やっぱりロシアの食堂車の方がいい雰囲気をしている

音楽はロシアのヒットチャートを席捲中のあの曲が流れている
よう知らんけどたぶん・・

食堂車の中には俺たち以外に、バスケのユニフォームの上下を着た若者と40歳くらいの女の人とこれまた40歳くらいの男の人の3人だけ
席に着きメニューをもらおうとウェイターを探していると、そのバスケの試合前みたいな男が近づいてきて、メニューを差し出してくる!
お前ウェイターやったんかい!?
どんな格好で接客してんねん!
と、驚きながらもメニューを見てみると、ロシア語の筆記体のような字が手書きで書いてあり写真も無くさっぱりわからん
とりあえず、メインディッシュみたいなところのメニューで、何の肉を使っているかだけを試合前の男に確認して注文する
なんと、調理するのもこの男・・・大丈夫なんかい?

俺が注文したのは「豚肉を焼いて上に少しの野菜と卵を乗せたもの」

案の定、料理が運ばれてくるのまで、めちゃくちゃ時間がかかる
そして、どうですかこのさっぱりした感じ・・・
「えっこれだけっすかね?」
「いや~さすがにまだなんか出てくるんじゃないん?」
みたいな会話もむなしく、何かが出てくる気配は全くなし
さすがにこれだけじゃということで、パンを追加注文
味自体はどうかと言うと、まぁ不味くは無いんやけど別に絶品というものでもなく、肉もパサパサ
これで320p(約1000円)は高すぎるわ~
ちなみにパンは20p(約62円)
二人ともあっちゅう間に完食
これがほんまの最後の晩餐やったら、キリストも復活することはなかったんちゃうかな?

そして、クーラーが効いていたのですこし長居して退散
まぁ、噂通りの感じでした

その夜明日が最終日ということもあって、あんなに飽き飽きしていたシベリア鉄道の旅が終わることが寂しく思えてきた

シベリア鉄道最終日

朝起きて車窓を見るといつもとかわらない景色だ
日本でもニュースになっていた、モスクワの山火事の影響かどうか分からんけどすごいもやってはいたけど

いよいよ最後の停車駅のウラジミール駅に停車

この駅を過ぎると残すは終点のヤロスラブ駅のみ
残りの数時間をみんなそれぞれのコンパートメントで思い思いに過ごしてついにモスクワ到着!
(撮影:カッシーさん)
(なぜか、俺は終点の駅の写真を撮り忘れて、1枚もなかったからカッシーさんから拝借しました
カッシーさんもヤロスラブ駅の写真はこれ1枚だとか・・・)

ホームに降り立って5泊6日の間に汚れきったシベリア鉄道を見ると「お疲れ!」と声を掛けてやりたくなったから、心の中でお疲れとありがとうを伝えてホームを後にした

とまぁ、こんな感じの鉄道の旅でしたー!!

このブログを読んで、「自分も1回乗ってやろうじゃないか!」と、考えた人はいるでしょうか?
めちゃめちゃおススメするわけじゃないけど、1回乗ってみるのもいいかもしれないっすよ!

3 件のコメント:

  1. ほんまながーい!

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  2. ジャッカル2010/09/12 14:10:00

    うわっ、髪なが

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  3. おいジャッカル誰や!
    それ関係ないで~!
    もうチョイなんかあるやろ??
    何でコメントで自分が一番長いねん・・

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