2010-09-01

La Tomatina!

ついにトマト祭り本番!



トマト祭りとは、毎年8月後半にスペイン地中海沿岸のバレンシアから約40Kmの小さな田舎町のブニョルで催される“トマティーナ”と呼ばれるトマトを投げ合う収穫祭のことだ
この祭りが近づくと、人口約1万人足らずのこの町には、スペイン各地からだけでなく、世界各国からの観光客が押し寄せ、町の人口の4倍以上の人々が集まるらしい
この祭りでは100トン以上のトマトが使用されるという

ちなみに、今回のブログは写真は一切無し!
なぜってもちろんカメラを持って行っていないからです
この、祭りにカメラを持っていくのは、台風の日に傘を差して出かけるようなもの
なので、我慢して最後まで読んでくださいな
どうしても写真が見たい人は自分で検索してくださいな


朝、目覚ましの音で目を覚まし、信じられないことになぜか二人そろって二度寝をかます
・・・まぁちょっと、トマト祭りのためにタイトなスケジュールで移動したのが災いしまして
何のためにバレンシアまで来たのか・・
結局、予定から40分遅れでユースを出発すると、案の定祭りのスタートに間に合う電車が行ってしまい、仕方なく途中の乗換駅から同じ境遇の日本人たちとタクシーをシェアして会場のブニョルへ

タクシーをシェアしたクニさんとカッシーさんと男三人で、いざ会場となる街のメインストリートへ
タクシーを降りたところから路地をくねくねと歩いていく
ブニョルはスペインの片田舎の小さな町なんやけど、地中海沿岸のように壁が白く塗られた趣のある家々が軒を連ねている
一見すると、そんな馬鹿騒ぎをするようなお祭りとは縁のなさそうな街並みを歩いていく

しばらく歩きメインストリートが近づいてくると、なにやら遠くの方から歓声やら歌声やらが聞こえてくる
俺たちの期待値は一気に上昇
最初は歩いていたのが、いつの間にか気付くと早歩きになっている
メインストリートが近づくにつれ徐々に大きくなってくる歓声と歌声に伴い、俺たちの足取りはさらに軽快さを増しついには駆け足へ

最後の路地の曲がり角を曲がって目に飛び込んできたのは、メインストリートには収まりきらず、すぐ横の広場にまであふれかえった人、人、人!
皆一様に今からビーチでも行くかのような格好で集まっている

出遅れたこともあって、とりあえず後ろのほうで様子を伺っていると、通りや広場に面した家々からホースやバケツで人々めがけて水が浴びせかけられる!
水を掛けられるた人々は熱狂!そして、歌を歌って「もっともっと」と騒ぎ出す
ただ、水を掛けられただけでこの騒ぎよう
本番になったら、こいつらどんだけ騒ぐんやろ?

すでにすし詰め状態となっている群集の中でお祭り開始の号砲を待つ
そして、到着から30分、11時になり開始の号砲と共についにトマト祭りの火蓋は切って落とされた
その号砲を皮切りに近くの家のテラスや屋上から、群集めがけてトマトが一斉に投げつけられる

でも、俺の居た場所は通りから少し離れた場所だったからなかなかトマトが飛んでこない
それでも運よく飛んできたトマトを見事にキャッチする
そしてそれを群集めがけて思いっきり投げつける

快・・感・・・!!

トマトを思いっきり投げつけるという非日常な行為はかなり爽快だ
もっともっと投げたい!
一度投げるとその欲求が抑えられなくなってしまう!!

もちろん、民家から投げられてくるトマトだけでは、100トンものトマトを用意するのは無理
じゃあ一体どうやって100トンものトマトが会場に運ばれてくるかと言うと、なんと馬鹿でかいトラックが人々であふれかえっているメインストリートを人々を掻き分けながら進んで来るのだ 
ほんま、1歩間違えば死人が出そうな感じだ
その大型トラックにトマトが満載されていて荷台に乗っている人がばら撒いていくのだ
結局はそのばら撒き役が一番面白そうやけど、それは市の職員の特権らしい
まぁ、ばら撒きというか日ごろのストレスを発散するかのように群集めがけて思いっきり投げつけて来るんやけど

これはこんなメインストリートから離れた場所で、のんびりトマトが飛んでくるのを待ってる場合じゃないと思い、いざ人ごみを掻き分けメイン通りまで行こうとする
でも全~然動けない!
そりゃそうだ、たかだか200~300mの通りに4万人以上の人が詰まってんねんもん
それでも、楽しむためには前に行くしかないから、とりあえず一緒に来たカッシーさんとクニさんは一旦忘れることにして、一人でがんがん進んでいく
んで、かなり体力を使ってメインストリートへ到着
そこから見た光景はすさまじいものだった
大勢の人間が発狂しながらトマトを投げ、潰し、擦り付け、騒ぎまくっている!!
鮮血の色をした液体がしぶきを上げている
足元にはトマトと水が混ざった朱色の小さな川ができている
そして、その中をでかいトラックが群集を掻き分けぐんぐん進んでくる!!
目の前にトラックが迫ったとき、人々に押されて危うく轢かれそうになるも、ぎりぎり回避

メイン通りでは人に押されて倒れないように踏ん張っているだけで精一杯
正直、ビーサンで来たのは大間違い
経験者はちゃんと捨ててもいいような靴で来てる

メイン通りまで行くととにかく四方八方からトマトが飛んでくるから顔や頭にがんがんぶつけられる
トマトの汁が目に入るとめちゃくちゃ痛いんだこれが!
たまに、下に落ちてたり人の肩に張り付いているトマトのような物体(このころにはつぶれて原型をとどめているトマトはほとんど無い)を思いっきり投げつける
四方八方から飛んでくるのは、何もトマトだけではない
T-シャツ、ビーサン、たまに海パン、終には女性用の水着まで
あれっ?・・・これアカンやん!

さて、この時点で開始から40分ほど経っている
しかし、まだいわゆる写真や映像で見るようなトマトジュースの海が俺の周りにできていたりすることは無い・・
むしろ、水の割合のほうが多くて、果汁20パーセントってところだ
んーなんか物足りない感じもしてきた
事前情報では毎年5台のトラックが通るはずなんやけど3台通った後はなぜか続かない
そのころになると、もうみんな騒ぎ疲れてペースダウンしている
それでも、まだかなぁ~と待っていると、なんと12時のトマト祭りの終了を告げる号砲が鳴り響く
あれっ?まだ3台しか通ってなくない?
しかも、トマトの海できてなくない?
どうやら今年は不作だったのかトマトの量が少なかったみたいだ
でも、場所によってはトマトの海ができていた所もあったみたいで、結局は朝出遅れて中心の中心にいけなかった事が悪かったみたいや・・
歩いてると、どこでそんなにトマトまみれになったんや!?ってくらい全身にトマトのデコレーションをした人にも遭遇する

まぁでも、俺もそれなりにトマトまみれにはなったし、大いに騒げたから結構楽しかった!
正味トマトを投げているのは1時間弱やったけど、たった1時間弱の疲労感ではないほど疲れた

後は、みんな自分の体をきれいにするために地元の人が貸し出してくれるホースの前に長蛇の列を作る
祭りの後に浴びるシャワーは冷たくてめちゃくちゃ気持ちいい

とにかく、むちゃくちゃに馬鹿騒ぎをしたいなら、この祭りは結構お勧め!

一緒に来た人達とはぐれたから、とりあえず一人で帰ろうとすると、クニさんとたまたま再会したので二人で露店でビールとピザっぽいのを買って、食って飲んで満足して帰路に着いたのでした

ちなみに帰りの列車は、トマト祭り参加者100パーセントやからトマト臭いのなんのって!

バレンシアに着くとトマト祭り帰りの人は、結構浮いた感じになってしまう

このお祭りは、あの時あの場所にいたほんの一握りの人たちの、共通の秘め事のような夢の中の出来事のような感覚が妙にうれしかった

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